B子とは
B子を天才・鬼才と呼ぶことは簡単だ。ただ、どう凄いのか語るには100の言語でも力不足。彼女は脳内を具現化したシュールなイメージを描くが、描かれる物語は多彩。
とある家に住む女性の恋愛遍歴を描く現代口語演劇(Japonica)、自堕落な男が殺人を犯すことによりタガが外れていくオフビートな犯罪ドラマ(冬夏)、女性の口から語られる存在しない場所の散歩を描く幻想都市演劇(さんぽハイ)。
これらをパンチライン溢れる言語センスでたった一人で上演する。
そんな孤高のオルタナティブ・B子を佐藤佐吉演劇祭に呼ぶだけでなく王子小劇場で1日ぶっ通しで一人ぼっち演劇祭をやらせるのは快挙というか暴挙というか。
上記に挙げた『さんぽハイ』に、『精神明晰サバナに没す』という再演2作に新作2作を加えた4本立てをループ上演。しかも、その新作が2本とも日めくりカレンダー読み聞かせという分からなさ。
王子小劇場がB子の脳髄に沈む。(公社流体力学評)